【アスリートレポート】戸取大樹選手
世界ローラースケートスピード選手権大会 2011 YEOSU WORLD ROLLER SPEED SKATING CHAMPIONSHIPS
日 時 | 2011年8月29日〜9月5日 | ||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
開催地 | 韓国・麗水(ヨス)市 | ||||||||||||||||||||
日 程 |
|
||||||||||||||||||||
日本選手団 | 監督1名、シニア男子4名、シニア女子1名、ジュニア男子4名、ジュニア女子3名 | ||||||||||||||||||||
参加国数 | 113の国と地域 | ||||||||||||||||||||
公式サイト | http://www.patincarrera.com/yeosu2011/ | ||||||||||||||||||||
戸取参加種目 |
|
||||||||||||||||||||
結 果 |
|
これまで国際大会の経験は多少あったものの、世界選手権は初めての参加でした。世界選手権ならではの雰囲気、レース展開、生活面での様々な経験は大変貴重なものでした。
8月21日現地入り
例年に比べかなり早めに現地に入れたことは、日本選手団にとって良いことでした。大会までの約1週間、現地の気候に馴染み、食べ物に親しみ、また他国の選手と交流できたことで、レースに余計なストレスを持ち込まないで済みました。ただ、日本選手の多くはレース前に団体で調整期間をとること自体に慣れていないこともあり、どのようにピーキングするか手探りの状態でした。僕自身は、合流する2週間前から韓国・アニャン(ソウル近郊)で合宿してきていました。多少の疲労がありましたが、ベストに近い状態で本番を迎えることが出来ました。
大会について
約2ヶ月前に、同じ韓国で開かれたKOREA OPENという国際大会に参加していたことで、大会の雰囲気に飲まれるということはなかったと思います。また、現地の友人や他国の友人が多くいたこともプラスに作用しました。事前のアニャン合宿で、今回の会場とよく似たトラックで練習を積んできたおかげで、トラックの走りの調子は良かったと思います。結果的に、一番良い成績だったのもトラックの15000mでした。
レースに入ると、これはまた日本でやっているスケートとは別の世界であると感じました。恥ずかしい話ですが、勝負に参加するという意味では、現時点での僕の最高の状態が、世界選手権の最低ラインというのが正直な感想です。しかし、レースのスピードは速いものの、必要以上に恐れる必要はないとも感じています。
年々高速化が進んでいると言われていますが、今回も長距離でも200mトラックの平均ラップが16秒台に入りました。トップスピードに課題の残る日本にとって厳しい状況ですが、イランやインドネシアなど決して練習環境の良くない国々でさえも対応し始めているのも事実です。
選手団について
今回の成績からすれば、フィジカル面での大幅な強化が必要なのはもちろんですが、それとともにメンタル面での訓練の必要性も感じました。それは選手本人だけでなく、同行の人も同様です。
簡単に言えば「今している行動(会話であれトレーニングであれ)が、どういう効果につながるのか」を意識して行動しているか、ということです。
短期的に言えばそれは「次のレースで勝つためにどのように活きてくるか」であり、大局的には「将来どのような選手(あるいは人生)になるか」につながります。小さなことで言えば、次のレースで動けるように食事のメニューを選ぶことであったり、日常会話でマイナスな表現を避けることであったり、そういった小さな行動から、レースは始まっています。極端な例ですがスペインのある選手は、座り方一つでもスケートにマイナスになることはしないようにしていました。
その他
パワーバーは現地でも大変重宝しました。全レース前にパワージェルで補給。長距離の前にはパワーバーも併用しました。体力的に限界まで走ることが出来た要因だと思います。
今回、事前の合宿を含めた調整や現地での生活はベストだったと思います。成績だけは、納得のいく結果でないのが残念です。来年の大会に参加することが出来たときには、レースで勝負がしたいと思います。
競技のルール
■インラインスケートのスピードレースについて
基本的には速い人が勝ちです。大きくわけて2つあります。
・トラック競技
滑らかなコーティング路面の一周200mのトラック(コーナーにはバンク(傾斜)がある)で行われる。
種目は 300mTT、500m、1000m、10000mPE、15000mE
・ロード競技
アスファルト(普通の道路と同じ)路面で1周400m前後の周回コースで行われる。
種目は 200mTT、500、10000mPE、20000mE
■タイムトライアル(TT)
1人ずつでタイムを計測して速い人が勝ち。(1人で走るのは300mと200mだけ)
■エルミネーションレース(エルミ、Elimination、E)
規定周回ごとに最後尾の人がレースから落とされていく(排除されていく)レース。規定周回に鐘がカランカラン鳴って、次の周回のラインを最後に通過した人が落とされる。30〜50人くらいでスタートして、最終的にゴールできるのは5人。
■ポイントレース(ポイント、Point、P)
規定周回毎にポイントを獲得していき、一番ポイントを取った人が勝ち。(トップでゴールしても途中でポイントを取ってなければ負け)。規定周回に鐘がカランカラン鳴って、次の周回のラインを1番に通過した人が2点、2番に通過した人が1点ずつ獲得していく。
■ポイントエルミ(PE)
ポイントレースとエルミネーションレースを同時に実施するレース。鐘が鳴って、ライン通過1番手、2番手がポイントを獲得していくと同時に、最後尾は排除されていく。
Team PALOTORA 戸取大樹