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スポーツ栄養基礎知識



ビタミン類 — ビタミンは代謝機能の調節役

ビタミン類は、私たちのカラダの代謝機能における最も小さな制御因子です。多数ある酵素の補助因子として作用し、代謝を触媒する働きがあります。Vitamin の Vita とは「生命」の意味。文字どおり生命を維持するために不可欠なものなのです。私たちは体内でビタミンを作り出すことができないため、食物を通してビタミンを摂取しています。ビタミンはその性質によって脂溶性と水溶性に分類されます。

脂溶性ビタミン


ビタミンの種類* 働き 含まれる食品 大事なポイント
ビタミンA
450μg
眼→視覚、粘膜、感染症に対する抵抗力 乳製品、レバー、卵黄、肉・魚 過剰摂取は有害
(脂溶性→脂肪に蓄積)
ベータカロチン
(2〜4mg)
ビタミンAの前駆体(プロビタミン)、活性酸素を除去する 特に緑黄色野菜、果物 必要に応じてビタミンAに変換される、無毒、アスリートには潜在的に多く必要
ビタミンD
5.0μg
骨の形成および維持、カルシウムの吸収を助ける 乳製品、肝油 紫外線によって体内でビタミンDを生成することができる、過剰摂取は有害
ビタミンE
8mg
活性酸素を除去する
(抗酸化剤)
ひまわり油や小麦胚芽油などの植物性油脂、ピーナッツ 大量に摂取しても無害、アスリートには潜在的に多く必要
ビタミンK
70μg
血液凝固作用 チーズ、卵黄、緑黄色野菜 大量に摂取しても無害

*

働き、含まれる食品、大事なポイントについては「ドイツ栄養学会(DGE)提言2000」による。ビタミン名の下の数値は、厚生労働省栄養素等表示基準値を記載。但しベータカロチンについては日本に基準が無いためドイツ栄養学会提言2000による。

脂溶性ビタミンは、脂肪と結びついた状態でのみ体内に吸収されます。

水溶性ビタミン


ビタミンの種類* 働き 含まれる食品 大事なポイント
ビタミンC
(アスコルビン酸)
80mg
抗酸化剤 → 活性酸素から防御、免疫力を刺激、結合組織の形成、ホルモン合成に関わる、鉄分の吸収を促進、銅の吸収を妨げる 生鮮果物(柑橘類)、じゃがいも、キャベツ 大量に摂取しても無害、1日を通してこまめに摂取、アスリートには多く必要
ビタミンB1
(チアミン)
1.0mg
糖代謝 肉類(豚肉)、肝臓、全粒穀類、豆類 アスリートには多く必要
ビタミンB2
(リボフラビン)
1.1mg
全身代謝 牛乳、肝臓、シリアル アスリートには多く必要
ビタミンB6
(ピリドキシン)
1.0mg
たんぱく質代謝、全身代謝 全粒穀類(小麦、オーツ麦)、豆類、バナナ、じゃがいも、肉類 アスリートには多く必要
ビタミンB12
(コバラミン)
2.0μg
全身代謝、赤血球の合成 乳製品、卵、肉類 アスリートには潜在的に多く必要
ビオチン
45μg
たんぱく質代謝、糖代謝 全粒穀類、豆類、野菜、卵黄 アスリートには多く必要
ナイアシン
11mg
糖代謝(グルコースの減少)、有酸素運動時にエネルギーを供給 豆類、小麦(全粒)、じゃがいも、肉類、ピーナッツ アスリートには多く必要
パントテン酸
5.5mg
脂肪代謝、糖代謝、アミノ酸代謝、傷の治癒 牛乳、卵、全粒穀類、豆類 アスリートには多く必要
葉酸
200μg
DNA代謝、新たな細胞の生成 緑葉野菜、全粒穀類 妊娠初期の数週間は重要、アスリートには潜在的に多く必要

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働き、含まれる食品、大事なポイントについては「ドイツ栄養学会(DGE)提言2000」による。
ビタミン名の下の数値は、厚生労働省栄養素等表示基準値を記載。

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