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スポーツ栄養基礎知識



エネルギー(2) — いつ、そして何からエネルギーを摂れば良いか?

私たちのカラダの代謝作用は、運動に応じてさまざまな種類の燃料を利用する高度なエンジンに例えることができます。このエンジンを動かすエネルギー源となるのが、炭水化物と脂肪、そして場合に応じてたんぱく質です。これらは私たちの食物の主な栄養素です。また一方ではカルシウムが、エネルギー生成のプロセスを推進する点火プラグの役割を果たしています。理想的な方法でエネルギーを利用し、最大限のパフォーマンスを発揮するためには、正しい食事と計算されたトレーニングが重要なのです。

炭水化物と脂肪の比較

炭水化物 脂肪
  • 筋肉にとって効率の良い燃料
  • 脳にとって重要な燃料
  • 赤血球にとって唯一の燃料
  • 筋肉にとって長持ちする燃料
  • 食料不足の時に生き続けるために重要。そうした非常時には脳にエネルギーを供給する
  • グリコーゲンとして筋肉および肝臓に貯蔵される
  • グリコーゲンの貯蔵量には限りがある(300〜750g=1,200〜3,000 kcal)
  • 60〜90分程度の運動に対して十分なエネルギーを供給できる
  • 炭水化物1gあたり4kcalのエネルギーを供給
  • トリグリセリドとして脂肪組織に貯蔵される
  • 貯蔵量の制限はないに等しい(体重75kgの平均的成人男性の場合:50,000 kcal)
  • 数時間にわたり十分なエネルギーを供給できる
  • 脂肪1gあたり9kcalのエネルギーを供給
  • 有酸素運動において、脂肪の2倍の速さで消耗される → 即効型エネルギー
  • 長時間型エネルギー
  • 燃焼時の酸素必要量が少ない → 運動負荷が高くなるほど(VO2max*が70%以上)、エネルギー供給量に占める炭水化物の割合が大きくなる
  • 酸素1リットルあたりで比較するとエネルギー供給量が、脂肪より約9%多い
  • 大量の酸素を必要とする → 運動負荷が低い場合(VO2max*が70%以下)、もしくはトレーニングの状態に応じて燃焼する

*VO2max:最大酸素摂取量

炭水化物と脂肪はエネルギー代謝において互いに補完しあっています

運動の種類 利用されるエネルギー担体 エネルギーの供給方法
極度の持続的運動
(1時間以上)
脂肪


炭水化物
有酸素状態のみ
長時間の持続的運動
(8〜60分)
主に有酸素状態
中間的な持続的運動
(2〜8分)
主に炭水化物 有酸素と無酸素の混合
短時間の持続的運動
(45秒〜2分)
炭水化物(解糖) 主に無酸素状態
極めて短時間の運動
(10秒以内)
クレアチン、リン酸、アデノシン三リン酸(ATP) 無酸素状態のみ
 

炭水化物が燃えることによって脂肪も燃焼するのです!

<結論>
私たちは脂肪の貯蔵量にかかわらず、常に炭水化物を消費しています。
炭水化物は毎日の活動はもちろんのこと、トレーニングの間や前後にも同じように必要なのです。

エネルギー供給においてたんぱく質が果たす役割は?

たんぱく質は、私たちのカラダを構成する重要な要素です。しかし炭水化物や脂肪のような貯蔵場所は存在していません。たんぱく質の場合、筋肉や肝臓はもちろん、血液中のたんぱく質、その担体として機能します。たんぱく質によるエネルギー供給は非常に限られています。運動が長時間にわたり、特に十分な量の炭水化物を利用できない場合には、5〜15%程度のたんぱく質が、アミノ酸の形で(特にバリン、ロイシン、イソロイシン。これらはパワーバー全製品に含まれています)エネルギー生成に使用されることがあります。また、私たちのカラダはたんぱく質を炭水化物へと変換することができるため、極端な場合には、こうした作用によってたんぱく質担体までもが使われてしまいます。その結果として身体能力が低下し、免疫機能が弱まることもあるのです。筋肉運動を続けていくと、燃焼と筋収縮という2つの作用によってたんぱく質が破壊されるため、たんぱく質の消費量は一層増加することになります。

<参考>
パワーバープロテインプラスには、高品質のたんぱく質が35%も含まれ、脂肪は13%。
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