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スポーツ栄養基礎知識



ダイエット — ダイエットよりも、バランスの取れた食事と運動を

体脂肪が悩みの種

体重を減らす場合、体脂肪率を減らすことが常に目標に掲げられますが、これは一朝一夕に成し遂げられるものではありません。長い時間をかけて着実な効果を上げるためには、やはり根気が一番大切なのです。巷にはすぐ体重を減らせると宣伝したダイエット商品が溢れています。なかにはほんの2〜3日で数kg減量できるとうたうものまであります。しかし実際はどうなのでしょう? 残念ながら、こうした急激なダイエットで減量できるのは大部分が水分で、ダイエットを中断すればすぐに元通りになってしまうのです。脂肪というのは本来、少しずつしか減らないものです。1週間あたり0.5〜1kgぐらいのペースと考えるのが現実的です。

どうしたら脂肪を落とせるのか?

健康的な低脂肪の食事と身体活動、例えばスポーツなどを組み合わせること、これが最も効果的で最も確実な方法です。ダイエットで最高の成功を収めるためには、規則正しいトレーニングを続けることが大切です。この際、脈拍管理は欠かせません。心拍数モニターがあれば理想的です。最新の心拍数モニターでは、カロリーの消費量はもちろん、エネルギー供給時の炭水化物や脂肪の燃焼率も表示できます。こうしてトレーニングの成果をダイレクトに確認できるのです。

鏡をのぞいたり体重計を気にしたり…。体重は常にダイエットの達成度を計るための基準とされてきました。でも実際、これにはどれほどの意味があるのでしょうか? 体重計は体の重さそのものを教えてくれますが、そこから脂肪、筋肉、そして水分の比率を知ることはできません。この比率を知っておくことは重要です。

トレーニング、とりわけ負荷の高い運動を行うと、脂肪が減少する一方で、筋肉が増加します。筋肉組織は脂肪組織に比べて高密度なため、同じ大きさでもより重くなります。つまり、体重計の目盛が変わらなくても、全身のスタイルがほっそりとして服のサイズも合うようになった(!)という場合もあり得るのです。ですから体重計の目盛だけが減量の成功を決める基準ではないのです。

ダイエットの落とし穴「ヨーヨー現象」

日々のエネルギー摂取量を極端に減らしてしまうと(たとえば1日あたり1,000kcal以下)、人間のカラダは全機能の働きを抑制する方向へと転換します。エネルギー消費量を減少させて生存を確保しようとする機能が働くのです。このような機能がなければ、人間は飢饉などを乗り越えて生き延びることができません。けれども、緊急時には私たちを助けてくれるこうした機能が、一方で減量を妨げているのです。食料の摂取が不足すると、私たちのカラダの中では、やがて訪れるかもしれない非常事態に備えて、エネルギーの備蓄反応が起こります。こうしてすぐに体重が元に戻ります。これが「ヨーヨー現象」、いわゆるリバウンドです。苦労してどうにか減らした体重が、信じられない速さで元に戻ってしまうのです。こうして2度3度とダイエットを繰り返すことになり、悪循環に陥ってしまいます。これでは時間をかけてもうまくいくはずがありません。一体どうすればよいのでしょう?

いわゆるダイエットは短期間の解決策に過ぎず、成功が長続きすることはまれです。食べることはひとつの習慣なので、簡単に元のパターンに戻ってしまうのです。減量してその状態を維持するためには、食事の摂り方と日常の行動パターンから変えるしかありません。カロリー計算はやめて、食事の油脂分を減らしましょう。それこそが減量を長続きさせる1番の方法なのです。

食事のヒント

低脂肪の食材を選んで

  • 動物性脂肪を減らす。肉、ソーセージ、乳製品の脂肪含有量をチェックする
  • 植物性脂肪を控える(油脂およびナッツ類)
    (例:1日あたりサラダ用オイル大さじ1杯)

料理の油を減らす工夫を

  • コーティング加工のフライパンを使う

複合糖質を十分に摂る

  • 食物繊維が豊富な食品(全粒穀類)
  • シリアル製品、イモ類

お菓子は控えめにする

野菜・果物をたくさん摂る

水分は1日最低2リットル

  • ミネラルウォーター、フルーツティー、ハーブティー、炭酸水、りんごジュース
  • アルコールは極力控えるか絶つ

カロリー&脂肪のカット

  • 減らすカロリーは500〜800kcal程度に留める(1,200kcal以下にはしないこと)
  • 特に脂肪からのカロリーを減らす

栄養価の高い食品を選ぶ

  • 脂肪を控え、ビタミン、ミネラル、食物繊維の多い食品を摂取する


トレーニングのヒント

脈拍の管理と持続的なトレーニングを

  • エクササイズの3分の2は負荷の軽いトレーニングを(脂肪代謝を活性化)、最大心拍数の60〜70%が目安
  • エクササイズの3分の1は負荷の高いトレーニングを(最大心拍数の70〜85%)

最新の測定機器では、使用者それぞれに合わせた心拍数の目標域やトレーニング中のカロリー消費量が表示されます。
さらに、カロリーの消費量全体に対する脂肪の燃焼量の割合を示してくれる機能もあります。これでやる気が出ないはずはないでしょう!
自分の健康状態や進行状況がいつでも把握できるのです。


定期的な運動で筋肉をつける

  • 持続的かつ高負荷のトレーニングにより、基礎代謝を高める

筋肉組織は絶えず活動しています。
安静時でも脂肪組織より多くのエネルギーを消費します!


日々の暮らしに運動を取り入れて

  • エレベーターを使う代わりに階段を上る
  • 車を使う代わりに徒歩で移動する

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